
著:町田康 版元:幻戯書房 P256 四六判 上製 2017年3月刊
装丁:細野綾子 カバー写真:紘志多求知
「すなわち、どうせ死ぬなら、もう一度、うどんからやり直して関東戎夷の状態を脱し、本然の上方者である自分に戻って死んだらどうだ、とその声は言っているのであった。」
関東戎夷になり果てたと嘆き、上方のソウルフード、うどん、ホルモン、お好み焼、土手焼き、イカ焼きを拵え、これを食すことで見えた宇宙。大阪の魂を取り戻すビルドゥグロマン。
ひたすら食べ物のことが書いてあるのに、こんなに笑える本もないのではないだろうか。それも、ぐふふ、と濁点で笑っている。町田康の文章をどう説明すれば野暮にならないのかよくわからないのですが、やはり、面白いですとしか言いようがありません。