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声めぐり

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著:齋藤陽道 版元:晶文社 P288 四六判変形上製 2018年7月刊 装丁:寄藤文平+鈴木千佳子  著者は聴覚に障害がある。二歳の頃、聞こえないことがわかってからは、補聴器をつけて発音訓練に明け暮れる日々が始まったという。幼い頃の鮮やかな記憶がない、と書いてある。そこにあったのは音声の表面で、「声」が残っていなかった。彼が、「生きている会話」をできるようになったのは、ろう学校へ通い始め、手話を使うようになってから。著者は写真家でもあるから、彼の眼を通して語られる、聾する者たちの声は魅力的だ。通学中の挨拶、遠く離れた友達との手話、雄弁な顔や手や指。読んでいるものの想像をかきたて、映像を浮かび上がらせる。彼は、まなざしや、格闘や、抱擁の中にも声を聴く。そこには、悪意の声もある。ことばが無くとも、皮膚や五感のあらゆるものを通して、雄弁に話すことができた、と書いてある。聞こえる、聞こえない、異なる私たちは、声を交わし、気持ちを渡すことができる。

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