友だち
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友だち

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著:シーグリッド・ヌーネス 訳:村松潔 版元:新潮社(クレストブックス) P254  四六判変型 2019年1月刊 装丁:新潮社装幀室 主人公は初老の作家。愛人でも恋人でもないが、彼女が誰よりも心を許せる男友だちの〝あなた〟も作家だ。彼は彼女のかつての恩師で、妻と犬と暮らしており、ある日、自殺をした。犬は関節炎を抱えた巨大な老犬で、名前をアポロといい、ペット禁止の彼女のアパートに転がり込んでくる。登場人物は誰も名前を持たないが、犬だけが名前を持っている。〝わたし〟とアポロは、喪失感を介して互いを理解しあうようになり、ふたつの孤独は、そっと寄り添うように馴染んでいく。言葉を必要とせずに、まなざしや体温で。ふいに顔を出す不在を慈しむように。この小説には、派手な出来事は何も起きない。〝わたし〟の身体をひたすら満たしている喪失感と、脳裏をよぎる深い思索が言葉となり、連なっていく。大切な人の死、老犬をむしばむ老い、言葉を奪われた弱者たちの痛み、彼女はそれらについて考え続ける。主人公はこう語る。「わたしたちがその不在を寂しがるもの―わたしたちが失い、失ったことを嘆き悲しむもの―、それこそわたしたちを心の底でほんとうにわたしたちにしているものではないか。」