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著:松田青子 版元:中央公論新社 P248 四六判上製 2020年5月刊
写真:横浪修 装丁:田中久子
『スタッキング可能』でデビューし、『レモン畑の吸血鬼』などの翻訳家としても知られる著者の初長編。帯には「最強レジスタンス小説」と書いてある。抵抗する相手は「おじさん」だ。「おじさん」と言っても、ある年齢に達した男性を指すわけではなく、男尊女卑的な思考を持ち、社会的弱者に圧力をかけるひとたちのことだ。作中には「おじさん」の定義が描かれている。その中に、「おじさん」の中には、女性もいる、と書かれている。「おじさん」に年齢も性別も関係ないのだ。「魂は疲れるし、魂は減る」という一文がある。毎日、食べて、寝て、働いて、理不尽なことに立ち向かうためには、持続可能な魂が必要なのだ。私たちが「おじさん」に抗い、持続可能な自分であるために、まずはこの本を読んでみてはいかがでしょうか。