わかりやすさの罪
new
5f478d88d7e1d8654f02a867

わかりやすさの罪

残り1点

¥1,760 税込

送料についてはこちら

著:武田砂鉄 版元:朝日新聞出版 P280 四六判並製 2020年7月刊 ブックデザイン:鈴木成一デザイン室 校閲:玄冬書林 物語とは終わるものではないし、与えられるものでもないように思う。人の営みは連綿と続くし、私にとって一冊の本を読むことは、その本について考え続けることでもある。しかし、世の中はそうでもないらしく、「泣ける」という宣伝文句がはびこり、テレビにはテロップが流れ続け、ここが笑いどころですよ、と促してくる。「わかり合う」ことをよしとする同調圧力。「わかりやすいものばかり咀嚼すれば、噛み砕く力は弱くなる」と著者は言い、この本を通じて、「どうすれば『わかりやすさ』から逃れることができるのか」ということを考える。「社会の第一線で働くビジネスパーソン」に向けて、「良書」を3000字程度のダイジェストで紹介するサービスがあるらしい。その「良書」の候補として著者の『紋切型社会』が選ばれた経験があるそうだ。もちろん拒絶し、「本は、そして文章は、すぐには掴めないからこそ、連なる意味があるのだ。簡略化される前の、膨大なものを舐めてはいけない」と述べる。「わかりやすさ」を追求する世間とは、そこで生きる人々を舐めているのだ。考えたくないんだろ、と。この本が明確に何かを教えてくれるわけではない。むしろ、考えるために読むべきだろう。噛み砕く力を失わないために。