魯肉飯のさえずり
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魯肉飯のさえずり

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著:温又柔 版元:中央公論新社 P288 四六判上製 2020年8月刊 装丁:鈴木久美 装画:山本真澄 主人公は、日本人の父と台湾人の母を持ち、日本で生まれ育った桃嘉。彼女は就活に失敗し逃げるように結婚を選ぶが、夫とは次第にすれ違っていく。夫は彼女の内面が全く見えていないだけでなく、浮気までしているのだ。2人のすれ違いを象徴するのが魯肉飯だ。主人公の家庭では「ルーローファン」ではなく、「ロバプン」と呼ぶ。桃嘉にとってとても思い入れのある、母の得意料理だ。夫は桃嘉が作った魯肉飯を、日本人の口には合わないと言う。ふつうの料理のほうが好きだと。自分にとっての「あたりまえ」を、彼女にも押しつけてくる。しかし、彼女も思春期には、台湾出身で日本語が話せない母のことを「恥」と感じていた過去があった。温さん自身、両親が台湾人で、台湾籍として日本に育った。日本と台湾のはざまで揺れ動きながら生きてきた彼女にとって、他者が押しつけてくる「あたりまえ」にずいぶんと傷つけられてきたことだろう。マイノリティとして生きていくことの痛みを描くだけでなく、ジェンダーの問題もはらみながら物語は進む。主人公が心の声に耳を傾け、自分自身をとりもどしてく物語だ。