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著:武田砂鉄 版元:文藝春秋 P264 四六判並製 2021年5月刊 ブックデザイン:鈴木成一デザイン室 DTP:エヴリ・シンク
このところ、俺は偉いんだぞ、と叫びながらこっちに向かってくるのではなく、そう叫びながら逃げていく姿ばかりが目に入る。そんな社会を活写したところ、こんな一冊に仕上がった。(「あとがき」より)
本書は、2016年から雑誌『文學界』で連載されている「時事殺し」から選び抜かれてまとめられた一冊。掲載順ではなくて、カテゴリー分けで掲載されている。たった5年前のことでも、読んでいくうちに、「そうだった!こうだった!」と、当時の憤りがよみがえる。コロナ禍にオリンピック、続く失言騒ぎ…と毎日更新される問題が上書きされて、記憶がぼやけていた。「このまま忘れてもらおう」と思っている偉い人の思うままにならないために、多くの人にこの本を読んでほしいと願います。
第1章 偉い人が逃げる ―忘れてもらうための政治
第2章 人間が潰される ―やったもん勝ち社会
第3章 五輪を止める ―優先され続けた祭典
第4章 劣化する言葉 ー「分断」に逃げる前に
第5章 メディアの無責任 ―まだ偉いと思っている