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まだまだという言葉

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著:クォン・ヨソン 訳:斎藤真理子 版元:河出書房新社 P240 四六変形判 2021年11月刊 装丁:大倉真一郎 装画:倉持リネン 母と姉に金を持ち逃げされ貧困にあえぐ娘ソヒ、かつて一緒に暮らしていたディエンがみた夢の再現に没頭する老女デロン、期間制教師として働きながら母の入院費用を捻出するN……。八篇すべてが、家族をめぐる物語だ。彼らの人物像は仔細には明かされないが、読んでいくうちにその輪郭が見えてくる。往復三時間をかけて職場へ通うソヒは、できる限りの切り詰めた暮らしをしている。コツコツと節約し、借金返済の計算を何度も繰り返す。そんな彼女の最大の喜びは始発バスに乗ること。運がよければ窓際の席に座ることもできる。そうすれば朝の陽射しで川の水がきらきら、そしてあたたかい。ささやかな贅沢だ。ソヒは「バスが好きだけど、バスは悲しい」と思う。「悲しくても好きなもの」、何でそんなものがあるのかソヒにはわからない。その「わからなさ」を伝える術を著者は持っているように思う。私たちは常に言語化できない感情を抱えて生きている。その感情に光をあて、闇から取り出すという作業を作家がするとき、そこにはかすかな希望が生まれる。

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