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水平線

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著者:滝口悠生 版元:新潮社 P508 四六変型判上製 2022年7月刊 装画・題字:中山信一 装丁:新潮社装幀室 一九四四年、第二次大戦の対アメリカ戦局の激化に伴い、当時千人あまりが暮らしていた硫黄島の住民は、強制的に内地に送られ、疎開の対象から外れ現地徴用された男性のほとんどは戦死する。以来、元住民は帰島していない。だが、本作は戦闘を描く物語ではない。祖父母の故郷である硫黄島を墓参で訪れたことがある妹・三森来未に、ある日見知らぬ男から電話がかかってくる。同じ頃、兄・橫多平(両親の離婚により名字が異なる)には、蒸発し既に亡くなっているはずの祖母の妹・皆子からメールが届くようになる。語る人が、次々と変わりゆく物語である。戦争で島を出た祖父母たち。島と運命をともにした人々。現代を生きる兄妹。彼らの言葉は寄せては返す波のようにつながっており、彼らが時を超えて交流したとしてもそこに違和や恐怖はなく、むしろあるのは親しみと懐かしさ。読みながら、いつの間にか彼らとともに島に流れる時間の中に没入してしまう。戦争が破壊した日常に。「たとえば橫多くん、君がいまそこから見ている海も、どこか遠くにつながっているのかもしれないよ」と皆子は言う。生者と死者のへだたりはいつしか消え、語られなかった記憶ですら私たちは受け取っているのだ。

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