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それでも食べて生きてゆく 東京の台所

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著:大平一枝 版元:毎日新聞出版 P240 四六判並製 2022年11月刊 装丁・組版:佐々木暁 著者の大平さんが訪ねる台所の主は著名人ではなく、市井の人。自宅を訪ね、台所の写真を撮り、食事にまつわる話を中心に据えながら取材を進めていく。「東京の台所」3冊目のテーマは「喪失と再生」だ。ネグレストの親と縁を切り、小さな古いアパートで一人暮らしをしている女性の台所には、やけに大きな冷蔵庫がある。長く生活保護の窓口を担当していた故郷の市役所職員が、こっそり中古で譲ってくれたもの。セクシャルマイノリティの仲間同士でルームシェアをする男性が料理の手引きとしているのは、亡き母の愛読書『おそうざいのヒント365日』。6年前に妻を亡くした八六歳の男性は三食自炊をしている。自分で食べる分くらい自分でやらなくてどうするって思いますね、と彼は語る。職業や家族構成は書かれているが、写真には顔が写っていないし、名前も書かれていない。匿名性が高いのに語り手の個性がありありと浮かび上がるのは、台所という場所はひとつとして同じではなく、人生を語り得るからだろう。夫を亡くしたばかりの女性は語る。「でもね、こんなに悲しくても料理だけはやると落ち着くんだよね。作ったら食べなきゃだし、ちゃんとお腹がすく」。

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