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新古事記

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著:村田喜代子 版元:講談社 P352 四六判上製 2023年8月刊 装画:萩結 装丁:六月 1943年5月、米ニューメキシコの大地に錚々たる科学者たちが続々と集まってくる。そこは軍の機密で「Y地」と呼ばれる台形の岩山の頂上。日系3世の女性アデラと婚約者のベンジャミンもそのうちの一組で、アデラは動物病院で働くことになる。夫たちの仕事は原爆開発だが、そうとは知らされていない妻たちは家事や育児に明け暮れている。戦争の最中なのに、物語に流れる時間は平穏だ。Y地がもとの世界と通じる窓口は郵便局の「私書箱1663号」のみ。隔絶された世界だが、ネイティブ・アメリカンのプエブロ族は、Y地が彼らの居留地の一部にあるため、安価な労働力として重宝され、出入りしている。彼らの言葉はどれも印象的だ。動物病院で働く先住民女性のアーイダは語る。「何も持たないという心を、ずっと持って来ました」。状況とは裏腹に物語には温かな感情が満ちている。その中にいてさえ人間は最悪な破壊兵器をつくることができるのだ、と思い知らされる。

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