写真・構成：川内倫子　執筆：テジュ・コール　版元：torch press　P216　仕様：A4版変型（280 x 220 mm）／上製本・布貼り　2025年1月　デザイン：ハンス・グレメン　編集：網野奈央 母なる大地、[Mother Earth]の頭文字をとると[M/E]. そのふた文字を書き出すと、肉眼で全体を見ることのできない極めて大きなものから、個に繋がり、それは火口の内部で体験した、地球と自分自身が反転して一体化したような不思議な感覚を想起させた。ー川内倫子（本作ステートメントより） 『M/E』に収められている写真は、いつものあなたの力強さを発揮しながらも、これまで発表されたどの写真よりも穏やかに感じられます。ますます抽象化された写真は、アグネス·マーティンの絵画やエリアーヌ·ラディーグの音楽のように私の注意を引きます。ここにあるのは淡々とした、しかし留めどない動きの中にあるものであり、その流れを変えることはできても、止めることはできないのです。ーテジュ·コール（本書寄稿文「すべては流れていく」より） 頁をめくるたびに光に包まれるような本。おだやかな光、かすかな光、あたたかな光、頁をひらくそのときどきで違って見え、写真とどんなふうに呼応できるだろうと楽しみでもある。頁を閉じると、まだ残像がまなうらにあり、自分が少し変化したと思える、そんな一冊です。