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著:三角みづ紀 画:さとうさかな 版元:ナナロク社 P128 四六判変形並製 2017年9月刊
装丁:服部一成 校正:牟田都子
本書はさみ込み推薦文:田尻久子
詩人・三角みづ紀さんのはじめてのエッセイ集。数年前に、営んでいる店で彼女に朗読をして頂いた。身体が音を呼んでいるように少し揺れており、空気をふるわすように差し出された言葉が、意味そのものよりも身軽になってただよっている、という感覚の記憶が残っている。本の中に、詩人は生き方であって職業ではないだろう、と書いてあった。生きているだけで詩を書いているのが詩人という存在、ともあった。それを読んで腑に落ちた。朗読する三角さんを見ていたとき、わたしたちは詩人を見て聴いていた。詩を書こうがエッセイを書こうが、そこに存在するのは詩人・三角みづ紀だ。旅をして異国の風景を切りとる、あるいは真夜中の台所でトマトのスープをつくる。失恋する。泣く。笑う。誰かや、何かを、いとおしいとおもう。どうあっても、詩人である彼女が選ぶ言葉のひとつひとつは、たやすく紡がれてはいない。たやすく、というのは時間のことではない。苦悩のことでもない。そもそも私は彼女が詩を書いたり、エッセイを書いたりしているところを見たことがない。ひとつの詩を、あっという間に書き上げることだって、もしかしたらあるかもしれない。でも、たやすく、ではないとおもうのだ。