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文・絵:坂本千明 版元:岩崎書店 P32 B5判変型 2020年9月刊
デザイン:椎名麻美 編集:筒井大介(野分編集室)
ぼくは街でひとり暮らす猫。だれもぼくのことを気にとめない。道端の石ころと同じ。でもある日「こんばんは」と声をかけてくる人間がいた。紙版画で描く、ある黒猫の物語。
ぼくといしころはおんなじ、と思って暮らす猫が、声を獲得するまでの物語。声を発しない間も、紙版画で見事に表現された「眼」が心の声をものがたります。その輝きに、おもわず手を差し伸べたくなりました。声をあげることのできない、あらゆる弱者と猫が重なるようでもあります。