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絵:黒田征太郎 文:池澤夏樹 版元:スイッチ・パブリッシング P112 B5変型判 2023年6月刊 ブックデザイン:宮古美智代
こんな黒い絵本は初めてだ。
これがヒトの世かと凝視、明るく輝くページに涙。
___山崎努
池澤夏樹と黒田征太郎、2人の作家による戦争と平和を伝える新たな絵本が誕生。池澤さんが物語を紡ぎ、黒田さんが黒い闇を描きました。沖縄のガマ(洞窟)をテーマに暗い洞窟の中で命を落とした人々の悲しみを、一人の少年の視線を通して伝えた絵本。物語の後には、「ガマ」「沖縄戦」といった用語の解説も入ります。巻末では、後に「ひめゆり学徒隊」と呼ばれる、看護要員として沖縄陸軍病院に動員され、沖縄戦で亡くなった師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の生徒たちの名前を刻んだ紙碑。黒いページをめくっていくと、最後には、花花花花花……。毎年、夏が来るとこのページを思い出すことでしょう。花はひとつも同じではない、ということも覚えておかなければ。