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日本移民日記

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著:MOMENT JOON 版元:岩波書店 P198 四六判並製 2021年11月刊 装画・挿絵:芦野公平 装丁:川名潤 著者はソウル出身、大阪府在住のラッパー。「外国人」や「韓国人」というキャラクターとしてではなく、一人の人間として見られたいと願うが、偏見はつきまとう。ある日、自身が置かれていた状況を冷静に考え、自分は「移民」だと気づく。「外国人」という単語が、「日本に来る前のお宅の国」を強く意識させるのに比べて、「移民」はその人が今この日本に住んでいることをはっきり示す、と彼は言う。さらに、理想的なのは「移民」という言葉も必要のない日本だと言うが、それは人を差別するあらゆる言葉に通ずるのではないだろうか。彼は大学の音楽学研究室に所属しているのだが、「アメリカと日本の大衆音楽における差別用語の使用(主にヒップホップを中心に)」と題した論文を読みやすく書き直した章が面白い。例えば、被差別者である「個人」が、自分や自分を含むグループを対象とする差別用語を「自ら」使うことで、既存の否定的な意味を裏返すことを実際のラップの歌詞で説明する。彼も自身の歌の中で、「家に帰った後も『帰れ』と言われるチョン」と差別用語を使って歌う。同時に、本著の中では「私にとっての日本は、日の丸でも政府でも、富士山でも天皇制でもなく、あなたです」と読者に語りかけるのだ。

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