





著:吉本由美/田尻久子 版元:NHK出版 P276 四六判並製 2024年1月刊 装丁:名久井直子 装画・挿画:坂口恭平
吉本由美さんと橙書店店主・田尻久子とで、2021年の春からおよそ二年半、かわりばんこに綴った連載が本になりました。お互い勝手に綴りながらも、ともに散歩をしているような心持ちでそれぞれの日常を綴りました。装画と挿画は同じく熊本在住の坂口恭平さん。行動範囲の狭い二人でなので近所のことばかり書いていますが、水が湧き、ほどよく田舎で、そこそこ自然も残っている熊本の街を散歩するようにお読みくださればうれしいです。
東京を去るとき、人・こと・もの、とのたくさんの別れがあった。そして今、新しいところで、人、こと、もの、とのいろいろな出会いを経験して、これが人生さ、長生きさ、と笑っている。それらを綴ったこの本が、手にしてくれた方々の日々のちょっとした安らぎ、励み、楽しみの発見に役立ってくれたらいいなと願うーー吉本由美(まえがきより)
吉本さんと私の、ささやかで少々愚痴っぽい日常を綴った本著が、読んでくださる方々の日々の解像度を上げるお役に立てればうよいなと思う。よく見れば、小さな楽しみや喜びは意外なところに転がっている場合もあるから。ーー田尻久子(あとがきより)