


著:姜信子 絵:屋敷妙子 版元:せりか書房 P266 四六判上製 2016年12月刊
装丁:木下 弥
「脈々と千年の語り、道の上、ほら、人の世の理不尽を超えて無数の安寿が旅してゆく」
近代人森鴎外によって切り捨てられた「地べたの語りの魂」を求めて、津和野、大阪四天王寺、上越、佐渡、津軽、恐山、福島を、平成のさまよえる安寿が旅する。姜信子の旅は、時空を超える。声に耳をそばだて、物語を探し歩く。瞽女の暮らしに思いを馳せ、「だから、物語る者は闇をゆけ」という言葉を受け取る。それらの声は、彼女の身体を通過して、わたしたちに届けられる。屋敷妙子さんの挿絵も魅力的な一冊です。