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著:小山田浩子 版元:ignition gallery P120 A6判 2022年5月刊 装丁:横山雄(BOOTLEG)装画・挿画:オカヤイヅミ
「広島の田舎で生まれ育ちいまも似たような地域に住んでいる私は、井の中の蛙というかパイプの中のかえるというか、狭い範囲で暮らしそれなりに充足していて、でもそこから顔を出し世界を見回すこともある」(まえがきより)
日経新聞夕刊に2020年7月から12月の半年間毎週連載したコラムに、書き下ろし2本をくわえた、芥川賞作家・小山田浩子初のエッセイ集。
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小さなことも大きなことも、著者ならではの言葉で綴られている。書くとき人は思考する、その道筋がとても誠実だと思った。広島の「平和教育」について語られる連作が印象深い。「私たちは世界の片隅にいるけれど、でも、その片隅はいまや世界の真ん中でもある。物語に共感したり泣いたり反省したりした私たちにはすることがある。それを教え考えることこそが平和教育なんじゃないだろうか」
《収録作品》
メボ / 被災の国 / 衣替え / 女はしない / 鯛 / 呪いの小石 / 広島の「平和教育」 / 新しい「平和教育」 / 「平和教育」の先 / 名前のない読書 / Eテレさん / ヤゴ / 自動ドア / 朝の4時 / 生落花生 / 呼び方 / 故郷の言葉 / 買い物が苦手 / 映画 / オンライン / 缶コーヒー / ノートパソコン / 餅つき / 救急車 / 近くに遠くに