
著:鹿子裕文 版元:筑摩書房 P304 文庫判 2019年3月刊
章扉デザイン:寄藤文平+吉田考宏(文平銀座) 扉絵:奥村門土(モンドくん) 解説:田尻久子
「自分たちで自分たちの場ちゅうやつを作ったらよかっちゃろうもん!」
福岡の街中に、毅然としてぼけた、ばあさまがいた。一人のお年寄りからはじまった介護施設「よりあい」の実録エッセイ。前代未聞の特別養護老人ホームの開設を目指し、あらゆる困難(おもに、お金がないこと)を乗り越えていく。個性的なのはばあさまだけでなく、型破りで個性的な人々がつぎつぎと現れ、笑ったり泣いたりしているうちに、ふと、世の中も人も変わっていけるのだ、という勇気がわいてくる。