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著:柴崎友香 版元:中央公論新社 P376 四六判上製 2025年1月 カバー画:ピーター・ドイグ 装丁:名久井直子
作家のヤマネは、コロナウィルス感染拡大の中、オンライン講座の講師を依頼される。参加者の年齢や、仕事や、住んでいる場所は様々だ。「この世界のどこかのいくつかの小さな場所でこの声を聞いている人がいる」と考えたとき、この講座に参加してほんとうによかったとヤマネは思う。本書を読む人も、彼らとともに言葉を聞いているような気がしてくるだろう。記憶を共有することで、たとえ画面越しであれ、本を介してであれ、人と人はつながっていく。薄れつつあるコロナ禍の記憶が、読むことでよみがえる本でもあります。