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著:石牟礼道子 版元:弦書房 P366 A5判上製 2019年10月刊
装丁・写真:水崎真奈美
「短歌は私の初恋。常に滅び、常に蘇るもの。短歌はあと一枚残った私の着物。このひとえの重さを脱いでしまえば私は気体になってしまう」(「短歌への慕情」から)
石牟礼さんの作品は、小説や詩やエッセイ、そして句に短歌と多面的だ。能の台本もある。その文学的出発点ともいえるのが短歌だという。その短歌の集大成ともいえる本で、1943年~2015年の未発表のものを含む670余首が収録されている。まずは歌そのものを味わったあとに、歌が詠まれた時期を巻末の年譜とひきあわせると、彼女の内面がより浮かび上がる。