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著:田尻久子 版元:西日本新聞社 P240 B6判並製 2023年8月刊 装丁・装画・本文デザイン:鈴木千佳子 編集:大河久典
橙書店店主・田尻久子の新刊。西日本新聞書評連載など新聞・雑誌書評(72篇)のほか、本と本屋をめぐるエッセイ(雑誌掲載文、書き下ろしエッセイ・読書日記など12篇)を併せて収録いたしました。お読みくださった方が1冊でも紹介した本を読みたいと思い、手に取ってくださればうれしいです。本書の編集者である大河さんが「この本は若い人にも読んでほしいんですよ」としきりにおっしゃりながら、心を込めてつくってくださいました。タイトルには、その想いが込められています。「わたしの物語」を本の中に見つけてほしいという想い。装丁・本文デザインは鈴木千佳子さん。紹介した本のイメージを装画にちりばめてくださいました。みなさんの脳内にも本の世界がひろがりますように。
〈「まえがき」より〉
子どもの頃、薄暗い灯りのもとで本を読んでいたとき、
本の中は隠れ家だった。
本を読む人の多くはそうではないだろうか。
本の中にいれば安心、そこにいれば逃げ切れる。
でも、逃避するだけの場所ではなかった。
私はそこで言葉を受け取り、勇気づけられ、少しだけ強くなった。