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著:オマル・ハマド 編訳:最所篤子 版元:海と月社 P208 四六判並製 2025年10月刊 装丁:Y&y
著者のオマル・ハマドさんは、ガザで生まれ育った29歳の若者。本書は、2023年10月7日にイスラエルから攻撃されて以来、彼が発信しつづけた「Ⅹ」への投稿をまとめたもので、ありのままのガザが綴られている。オマルさんは薬剤師の資格を持ち、化粧品店を営んでいたが、店は跡形もなく破壊された。爆撃の恐怖、飢餓、愛する人の死、遺体の手や足や肉片を踏まないように逃げること……。ガザには「肉片の重さを計る係の医師」がいるそうだ。イスラエル軍は強い破壊力を持つ爆弾を繰り返し使用しているので、遺族たちはバラバラになった遺体を拾い集めて、ビニール袋に入れて埋葬する。ガザに生きる一市民の視点で苛烈な生活状況が語られるが、詩を心から愛するオマルさんの言葉は悲痛でありながらもときに一編の詩のようでもある。ある日の日記にこう書かれている。 「殉教する日が来ても、僕のことばや詩が忘れられるのは嫌だ。全世界にそれを読んでほしい。そして知ってほしい、人生を愛し、あなたと同じように幸福でなんの不安もない暮らしを送りたかったガザの若者がいたことを」。