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著:アビー・ワンバック 訳:寺尾まち子 版元:海と月社 P112 四六判変型上製 2020年7月刊 装丁:Y&y
女子サッカー史に残る数々の偉業を成し、引退後も女性の権利、平等、活躍などを促す活動を続けているアビー・ワンバックが、名門女子大バーナードの卒業生へ贈った祝辞から生まれた本。道からはずれないこと。誰にも話しかけないこと。うつむいて頭巾(ずきん)で顔を隠すこと。悪いオオカミにそそのかされ、言いつけを守れずに道をはずれた赤ずきんに、やがて危機が訪れる。世界中の女の子が知っている、この物語がまちがっているのは明らかだ、と彼女は指摘する。女性であり、同性愛者でもあるアビーにとって、赤ずきんへの戒めは二重の差別となってふりかかったはずだ。私たちはそろそろ、無理矢理かぶせられた赤い頭巾をぬぐときではないだろうか。きゅうくつでしょうがないと思ったら、古い寓話は書きかえればいい。古いルールはいらないとアビーも言っている。女性はみな、誰しも自分の人生のリーダーだ、と。対等に支えあえる人たちと、誰からも支配されない新しい群れをつくればいいのだ。この本がその手助けとなるだろう。