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パープル・ハイビスカス

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著:チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ 訳:くぼたのぞみ 版元:河出書房新社 P320 四六変形判上製 2022年5月刊 舞台は、著者が生まれ育ったナイジェリア。中学校に通う物静かな少女カンビリは、厳格な父、従順な母、兄のジャジャと暮らしている。父は苦学して事業に成功し、革新的な新聞の発行もしている社会的に尊敬されている人物だが、家族には暴力をふるっている。熱心なカトリック教徒であり、自分のルーツを否定し、伝統宗教を信じる実父を「異教徒」と呼び孫たちからも遠ざける。それに対し、父の妹のイフェオマは、夫を亡くし大学教師をしながらひとりで3人の子どもを育てており、経済的な余裕はないが、家には自由な空気が流れている。軍事クーデタに備えて叔母の家に預けられた兄妹は、それまで触れることのなかった自由な価値観を知り、家族の絆はほころびを見せはじめる……。父の暴力の背景には、宣教師たちが持ち込んだ懲罰の思想があり、愛の名の下にそれは行われるから、父自体も苦しんでいる。それがわかっているから逃げ出すのは難しい。子どもたちが自由な心を獲得していく様を著者は繊細に語りながら、ナイジェリアの歴史的背景、固有の文化、女性たちの連帯をも丁寧に描き出す。著者の本が発行されるのをいつも楽しみにしてきたが、世界28言語で刊行されたデビュー作がようやく刊行された。

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